Kataro ホームページ 「 河太郎 」 31 号 平成 24 年 ( 2012 年 ) 9 月 1 日

山歩会 足利森林公園 丸太の森
矢野 鐵男

日 時 平成 23 年 8 月 26 日  JR 辻堂駅  8 時集合
コース  JR 辻堂駅 〜 大雄山線小田原駅 〜 大雄山・最乗寺行バス 〜 最乗寺山門 〜 丸太の森入口下車 〜 丸太の 森〜 管理棟 〜 郷土資料館 〜 古民家 〜 旧福沢小学校 〜 休憩所 〜 見晴し広場 〜 滝ポケット 〜 小田原駅

参加者 飯島、小池、納富、野村、山本さん、矢野

  JR 東海道線で小田原駅に向かいます。昨日の天気予報では今日の小田原市の降水確率は昼頃 50 %、隣接の南足利市は 0 %なので少々不安でした。車中からの眺めは、秋晴れのような空模様に薄い雲がわずかに流れ、明るい笑顔が漂います。小田原駅で大雄山線 ( だいゆうざんせん ) に乗り換え、 8 時 48 分発車します。


大雄山線 南足柄市

 大雄山線は小田原駅と南足柄市の大雄山駅とを結ぶ伊豆箱根鉄道の鉄道路線で、道了尊で有名な最乗寺への参詣鉄道として計画されました。最乗寺の草創は 1394 年・応永元年、福井の永平寺、鶴見の総持寺に次ぐ格式のある曹洞宗のお寺です。創建に貢献した道了という僧が寺の完成と同時に天狗になり、身を山中に隠したと伝えられることから道了尊とも呼ばれています。

  1922 年・大正 11 年に大雄山鉄道として設立し現在は、路線長 9.6 km 、 12 駅で営業しています。小田原駅を 12 分ごとに発車する電車に乗るとこの時間帯は乗客が少なく、ゆったりくつろぎながら無人駅の緑町を通ります。住宅地の中を走ると次は井細田駅 ( いさいだえき ) 、この駅の近くには富士フイルムの工場があるので、工場従業員の利用が多いようです。

  4 番目の駅は五百羅漢駅 ( ごひゃくらかんえき ) 、五百羅漢で有名な玉宝寺は駅の近くです。この駅を出て小田急線をくぐり閑静な住宅地が続くと穴部駅です。狩川の土手に近づき S 字状のカーブが終わって、直線を走ると飯田岡駅、相模沼田駅を通ります。近くには有名な西念寺があり、住宅地はマンションや家々が密集しています。

 間もなく八番目の岩原駅を過ぎ次の駅は直線で僅か 300 m なので、加速して減速すると塚原駅です。塚原駅 〜 和田河原駅は大雄山線最長の 1.9 km なのでスピードがでます。やっと田園風景が広がりますが家も多く、遠くには工場が点在しています。和田河原駅を出てしばらくすると南足柄市街地に入り富士フイルム前駅です。工場従業員が多く利用するのでホーム幅を広くしているようです。

 次は 500 m で終点大雄山駅、あっという間に下車です。南足柄の中心地の駅舎は三角屋根が特徴です。駅横のロータリーから道了尊行きのバスがでています。南足柄市は金時山 ( 1213 m ) を最高峰とした箱根山の外輪山の北東側であり、酒匂川 ( さかわがわ ) の支流の一つ狩川 ( かりがわ ) を中心に市街地が広がっています。北部は丹沢山地がそびえ、相模湾のある南から温かい海風が吹き込むため温暖な地域です。

 水に恵まれて国土交通省の制定した水の郷百選にも選ばれています。市域のほとんどは杉を中心とした森林が広がる山間部です。また今も人々の心の中に生き続ける、気は優しくて力持ち、足柄は金太郎のふる里として知られています。

 金太郎は坂田金時という実在の人物の幼名で、源頼光 「 平安時代中期の武将で、大江山の酒呑童子 ( しゅてんどうじ ) 伐の伝説で有名 」 の四天王の一人と言われた武士です。相模の国、足柄山に住んだ山姥 ( やまうば ) 赤竜との間に生まれたと伝えられています。全身が赤く肥満し、怪力を持ち、熊や鹿、猿などを友とし、常に鉞 ( まさかり ) を担ぎ、腹掛けをかけ、相撲や乗り物を好んだ子供だったようです。

 金時山に、金太郎が母と住んだ 「 宿り石 」 、イノシシの鼻を折って埋めたという 「 猪鼻神社 」 があります。街の産業には、富士フイルムやアサヒビールなど大手企業の工場や事務所があります。名所は、大雄山最乗寺、足柄峠、足柄万葉公園、夕陽の滝、森と水の公園などがあり、旧跡は岩原城址を始め数多くあります。


足利森林公園 丸太の森

 大雄山駅から伊豆箱根バスで道了尊行に乗車 9 時 15 分、丸太の森に向かいます。飯沢停留所を通って川を渡るともう参道、大雄山最乗寺に寺域ですぐに仁王門です。ここからは狭い上りの道になり、駅を出て 10 分ほどの停留所、丸太の森入口で下車します。

 案内板を見ると丸太の森は、歩いて約 20 分のルートが示されています。打ち合わせが終わり服装を整えて、林の方向に出発します。林間に入ると緑が覆い、セミの鳴き声がひびき、しばらくして狭い山道に変わると、セミの合唱に包まれます。上り下りをくり返しセミの声に押されながら上り切ると、 「 丸太の森・足柄ふれあいの村 」 の立て札を見て下り道になります。

 杉林が続き、対抗の 10 人ほどの小学生と手振りながら、間もなく林は終わって舗装道路に移ります。左の上りの道を少し歩いて、 「 おんりーゆー ( 榲里湯 ) 」 温泉、バス停を通り丸太の森管理棟・料金所で入場料を払い園内に入ります。

 面積 24 f 、標高 270 m の丸太の森は、爽やかな緑と澄んだ空気、四季折々に花をつける野草、緑濃い針葉樹や季節ごとに彩りを変える広葉樹など、美しい森林風景に恵まれた自然の資料館です。スギやヒノキの香り漂う森の小径は、森林浴気分がひときわです。せせらぎの音、野鳥のさえずりや木立を渡る風の音に耳を傾けながら、心豊かな時を過ごします。

 木々がいっせいに薄緑色の芽をつける春、川辺で沢ガニが、森の中では昆虫たちが遊び始める夏、木の実がはじける秋、燃える紅葉、史上あふれる冬へ、森は季節ごとに表情を変えていきます。自然の緑、水や空気に包まれた広場は八つあります。

 けやきの広場、見晴らしの広場、詩の広場、やまびこ広場、川の辺広場、雑木の広場、くぬぎの広場、杉の広場、などです。この地方の植物を学ぶ植物苑は、自然植物観察園、万葉植物苑、薬用植物苑、足柄山草苑、特用樹林園があります。

 散策路は、見晴らし広場を経由する外周 3 km です。高低差約 150 m と軽ハイキングが味わえます。途中には、つり橋を渡ったり、せせらぎの音に耳を傾けたり、気持ちの良い散策が楽しめます。また、自然に関するクイズを考えながら園内を廻ることのできる 「 自然を学ぶコース 」 や 「 オリエンテーリングコース ( 50 分コース・ 90 分コース ) 」 も楽しめます。

 この森の鳥たちのことですが、四季を通じて色々の野鳥が姿を見せます。ウグイス、カケス、アカゲラ、オオルリ、ヤマガウ、ルリビタキなどです。散策路を飛び交う鳥たちの姿を観察する人が多いので、管理棟では双眼鏡を貸し出しています。この森の歴史を訪ねて最初に郷土資料館、古民家、旧福沢小学校を訪ねます。


歴史

 管理棟の標識に従い、舗装道路を右手に曲がって行くと近くに郷土資料館が建っています。歴史展示室では、足柄の道、縄文式土器、関本宿、矢倉沢関所、門前町など道をテーマに原始、古代、中世、近世、近代の足柄地方の様子が展示、紹介されています。また南足柄の昔の農作業なども展示されています。資料館を後にして、ここから近い古民家に向かい、大きく右回りして訪ねます。

  「 奈良時代の住居 」 が立つ広場に入ると、上の一段高い所に足柄の古民家があります。土と板の壁、縁側や障子など、郷愁を誘う造りです。土間には大きい囲炉裏などがあって、丸太の輪切りの上の渡された板が椅子代わりに置かれています。

古民家

 建坪は 40 坪、明治初年頃の建築で、昭和 58 年にここ丸太の森に移築されました。今来たまわりの道を戻り、万葉植物園に入り、ジャングルあそび場やくぬぎの広場を通ると、旧福沢小学校が建っています。なつかしい木造の校舎で緑に映える瓦屋根、正面に校舎の玄関があって傍らに二宮尊徳像が立っています。

旧福沢小学校

 校舎に入ると木造の廊下は、ギシギシと音をたてます。校長室や職員室、衛生室、裁縫室などがあり、校長室には、この地区の小中学校が写真などで紹介しています。職員室には黒板の教壇と向かい合うようにして、生徒用の机と椅子が並んでいます。衛生室は立ち入り禁止になっています。

 この校舎は昭和8年に建設された旧福沢小学校の一部で昭和62年、丸太の森に保存するため移築されました。福沢の名は、かって福沢諭吉先生がこの地においでになっていたので、先生の姓を頂いたといわれています。

 昼時なのでこの辺りを一回りしながら、つり橋を渡り休憩所に入りました。広々とした中央には、長いテーブルに 20 ほどの椅子が並び、冷たい水などが用意され、山歩会の貸し切りです。ガラス戸を開けて風を入れ、ゆったりくつろいで昼食を楽しみ満足します。丁度 12 時、これからのコースに備えていると管理人が入ってきました。お礼を述べ、 「 見晴らし広場 」 へのコースを聞き確かめました。


見晴らし広場

 バードウォッチングコースに入り、野外ステージのある 「 けやきの広場 」 を通ります。この辺りは昔、けやきが多く小田原城に使われていたので、古老たちはここを小田原山と呼んだそうです。間もなく、自然を学ぶコースに移り、穏やかな登りの道をしばらく進んで、この森では一番高い標高 420 m の見晴らし広場に入ります。

 広場といっても、下草が刈られて尾根が少し広くなったほどの所で、東屋 「 みはらし亭 」 が建っています。右側には素晴らしい見晴らし、南足柄市の街並みが広がります。眺望を楽しみ小休止して 「 詩の広場 」 に向かいます。今登ってきた自然を学ぶコースに戻り、中段のバードウォッチングコースに移って、森林浴ポイントを味わいます。この先へ進み南側をまわる、自然を学ぶコースに合流すると 「 詩の広場 」 です。

 この広場の南側にある、上総川の支流に沿う 「 せせらぎの小屋 」 は、滝ポケット、足柄山野草園を結んでいます。滝ポケットに向かい、小さな谷筋の小径を緩やかに下り、二度ほど木橋を渡りながらやまびこの広場を通ると、滝ポケットです。この辺りの上総川の流域は小さな沢が多く、小さい滝を沢山造っています。

 珍しく美しい景観に感動し、ゆっくり眺めながら下ります。川を離れ運動広場から、つり橋を渡り、旧福沢小学校と、まわり歩いた道を戻り、管理棟を通ってバス停・おんりーゆーに着きました。 2 時 24 分発のバスに乗車、小田原経由で帰途に着きました。

Updated 24 March , 2021